カメラを止めるな!で広がる感染、製作費はなんと300万円
あんパンを食べたと思ったらカレーパンだった。
低予算作成で凱旋上映が行われるゾンビ映画があるらしい。
カメラを止めるな!の話を初めて聞いたときは
和ホラーの歴史が変わるかもしれない、と思ったのを覚えている。
思うと、日本のゾンビ映画で有名どころは本当に少ない様に思う。
漫画原作のアイアムアヒーローが近年で一発あてた位で、それまでの和製ゾンビ映画はZアイランド(任侠版バイオハザード)だったりバナナマンの日村が主演の新選組オブザデッド(主人公の名前が屑山下衆太郎)くらいしか見たことがない。
バイオハザードは日本発といえば日本発なのだが
もし日本発、登場人物が全員日本人のバイオハザード(劇場版)が
あったとしたら、断言できる、絶対事故る。
バイオハザードの続編が危ぶまれるレベルで事故る
うちら零とSIRENの実写映画のこと忘れんから!!
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恐らく、カメラを止めるな!を見に行った層の
大体のあらすじへの理解はこういうものだと思う。
「ゾンビ映画を撮影している一団が、
本物のゾンビに襲われる戦慄のパニック・ホラー」
正直魅力に欠ける、よくある話 である。
禁忌を破って入っちゃいけないところへ入りました、
案の定化け物に襲われました。
なんらかのヒントを経て化け物を倒すなり逃げるなりする。
日常に戻り安堵する主人公、そこに実は生きてた(追ってた)化け物の陰。
不穏な空気を残しながらカメラを引いて終わり。
何百回と見たようなプロットさえも思い浮かびそうな設定、
正直凱旋上映をするような映画とは思えなかった。
「この映画の何がよくてここまで売れているんだ?」
そう感じた人は自分だけではないだろう
そして、その疑問は知的好奇心になる。
よく言えば新進気鋭、悪く言えばトーシロの監督の作った低予算映画
そんなインディーズ感とは裏腹な好評価の嵐
極めつけの凱旋上映によって起きた「なぜ?」の疑問が
まるでウイルスの様に感染し、人は各地でふらふらと劇場に集ったのだ。
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また、あまりネタバレがなされなかった事も、
この映画の成功の片棒を担いでいる気がする。
この映画には仕掛けが隠されている。
それを知ってみるのと、知らないで見るのとでは恐らく
天地ほども感じ方に差があるだろう
近年のネットリテラシーというか、
作品を楽しむため水面下で行われてきた
「ネタバレ自重」の啓蒙活動は
ここまでのものになったのかと驚かされた。
肝心の内容については、自分自身の目で確かめてほしい。
いや、逃げとか書くのが面倒になったとかそういう理由ではなく
この作品のネタバレをネットに流すという行為が
一人の映画好きとしてあまり好ましくない気がするのである。
ただ一つだけ言えることは
あんパンを食べたと思ったらカレーパンだった。
ということ、それと
カレーパンはカレーパンで美味しいよ、ということくらいである。
追記
カメラを止めるな!の製作費は300万円
比較として、日本トラウマ界屈指の名作
実写映画デビルマンの製作費はおよそ10億円
カメ止め=0.003デビルマンである